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シェフ:我妻
英雄
帝国ホテル、シェイノでの長期に渡る勤務を経て渡仏。パリ、ニースのレストランでの勤務の後、2003年、東京・門前仲町に「プチ・ニース」を開店。 |
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一風変わったビストロ「プチ・ニース」 |
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我妻シェフ自らが「うちはちょっと変わってます」と語るだけあって、東京・門前仲町のビストロ「プチ・ニース」には、一風変わったところがたくさんあります。
●高級フランス料理店なのに、扉を開けた途端、居酒屋のような活気を感じる
●一流店並みの素材を使っているのに、値段はいたってリーズナブル
●あらかじめ箸がセットされている
●コースがない
●シェアできるように取り皿が出てくる
●深夜3時まで営業(ラストオーダーは深夜2時)
●メニューにカレーやお茶漬けがある
●メニューにないものを注文する人がいる
などなど、ちょっと驚くところがたくさんあるのですが、我妻シェフのお話をうかがってみると、それらすべてに理由があることが分かります。 |
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東京の下町・門前仲町に馴染むフレンチのお店 |
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テーブルマナーなど気にしなくてもいいお店の雰囲気や、深夜まで営業している点などについて聞いてみると、「例えば、パリのビストロは24時間営業しています。日本でフランス料理というと、いまだに格式張ったイメージがありますが、向こうのビストロでは、仲間とわいわいお喋りしながら食事を楽しみます。高級料理を食べに行くというより、そこで過ごす時間を楽しむための場所なんです」と我妻シェフ。
プチ・ニースは、パリのビストロの雰囲気、コンセプトを日本の下町に再現するとこうなる、というお店です。さまざまな工夫は、気取らず、時間を気にせず、リラックスして食事やお喋りを楽しめるように、というシェフの考え方が形になったものです。「本当は、テーブルクロスなんていらないと思っていますし、安くておいしいグラスワインの種類ももっと増やしたいと思っています」と語る我妻シェフ。理想のスタイルの完成までは、まだまだ変化していきそうです。 |
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| 定番にこだわりながらも、お客様のニーズに応える |
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帝国ホテル、シェイノと、日本のフランス料理界の最先端とも言える場所で働いてきた我妻シェフ。こういった経歴の方だと、料理の完成度ばかりに目が行きがちなのではないかと思いきや、我妻シェフの目は、むしろお客様の方を向いています。「常連のお客様が多いので、メニューは頻繁に入れ替えます。お客様からの注文でメニューに加えられた料理もありますよ」。まるで居酒屋のように、常連客がメニューにもないものを気軽に注文できる雰囲気も素晴らしいが、それに即興で応え、それがまた絶品というのだから流石です。
かといって創作料理がメインかというとそうではなく、「やはり定番にこだわりたいと思っています。昔からあるもの、パリのビストロに必ずあるもの、そういったものはきちんと提供していきたいと思っています」もちろん一皿5000円を超える料理も作れますと言う我妻シェフ。「でも、ここでお店をやっている以上、価格面も含めてお客様が満足できなければならないんです」
料理の素材がわかる人が見れば、その価格設定には驚くそうです。味はおいしくて当たり前。また来たくなるかどうかが大問題。週に1回は必ず来ているという常連客が、「ここで食べると、もう他に行けなくなるんです」と言っていたのが印象的でした。 |
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| 我妻流ビストロの最先端(エッジ)に触れられる店 |
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実はこのお店、これまで雑誌などの取材はあえて断ってきたという、知る人ぞ知る名店。有名店のシェフやソムリエなど、業界関係者も頻繁に訪れるお店です。開店からほぼ口コミだけで今の状態に至っているとのこと。
一方で伝統をしっかりと押さえつつ、お客様のニーズに応える形で新しい物を作っていく。これこそが我妻流ビストロ「プチ・ニース」のスタイル。
もちろん我妻シェフがとってもアイディアに溢れた方であるという点も大きな要因なのですが、そのアイディアを裏打ちしているのは、シェフのフランス料理に対する深い造詣であり、そしてまた、お客様の立場に立ったサービス精神に他ならないのです。 |