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| かじきまぐろと2色トマト、オリーブのアッフォガード |
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| パスタ「アンチョビ、カリフラワーとケッパーのトマトソース」と「蒸し鶏と茸のペペロンチーノ」 |
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| (写真左)蒸し鶏と茸のペペロンチーノ(写真上右)ラザニア、ズッキーニのフリット、カリフラワー入りのフォカッチャ |
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木製の厚いドアによって外の喧騒から切り離された、落ち着いた空間。すっきりしたレイアウトの清潔感あふれる店内。照明は明るすぎず、突き当りの窓から見える中庭の緑が目に優しい。
渋谷駅から代官山方向に徒歩7分のところにあるレストラン『ピノサリーチェ』は、南イタリア料理とワインの店。店長兼パティシエの赤松
恭子氏とプーリア州とシチリア州のレストランで修業を積んだ柳 令子シェフが中心となって運営する。
「イタリアの郷土料理は地方の家庭料理の延長みたいなものなので、飾り気はないのですが、食べ飽きることがないんです。イタリアンは奥が深かった。」
イタリア料理の魅力について柳シェフはこう説明する。
フレンチの料理人からイタリアンに転向された経歴の持ち主、柳シェフ。
トスカーナのシエナから始まり、プーリア、シチリアと続く彼女のイタリア修行時代の日記を拝見したことがある。
そこには、飾らないイタリア人の気質、温かさ、イタリア人の料理への愛着と誇り、イタリアの大地の底力、大地の恵みである作物の知識とそれらを最大限に生かす料理の数々が綴られており、彼女のイタリアとイタリア料理への愛情が伝わってくる。
「今でも、年に一度は買い付けを兼ねてイタリアに行きます。そうしないと、私の中の“イタリア”が足りなくなってくるんです」と柳シェフは言う。
この日いただいたのは野菜が多めのプレート、カリフラワー入りフォカッチャ、カボチャのスープ、大き目の野菜がぎっしりつまったラザーニア、かじきまぐろのアッフォガード、ローストポークなど。
優しい味付けの料理はどれも素材の味が生きており、食す者を幸せな気分にさせるという印象だ。
イタリアで食べた料理、作った料理を、頭と舌で覚えている限り、できるだけ再現したいというのが柳シェフの方針。
日本の食材を使って、どれだけイタリア本場の料理に近づけられるかということを常に意識している。
レシピブックには決して出ていない、イタリアンマンマ直伝の家庭の味のいくつかも、そのままの形で再現されている。
ここの人気の定番のひとつがプーリアスタイルの前菜。
いくつもの料理の盛り合わせではなく、飲茶のように一つ一つの料理を小皿で出す。
このスタイルだとお客様を待たせることなく、できた順に一番いい状態で料理を出せる。
冷たいものは冷たく、温かいものは温かく。
ワインのセレクトは主に店長赤松氏の担当。ワインリストは無く、好みや注文した料理との相性などを見て、お客様と相談しながら決めていくというスタイルで、グラスワインは試飲OK。ゲストに肩肘はらせない細やかな気配りが感じられる。
何故「南」なのかの問いには、「オリーブ収穫時期のプーリアで、絞って3日目のオリーブオイルに感動。とにかく南が合っていた。」とシンプルな答え。
恐らく「これがいい!」という直感のようなものだと解釈した。
恵みの大地、プーリアの滋味豊かな野菜などの植物。
その植物を食べる牛からは美味しいチーズができ、肉もまた身が締まって美味しい。
そしてシチリアの焦げるような太陽とアフリカからの熱い風がもたらす“太陽の味”の数々。
南イタリアの風土と食べ物をこよなく愛する柳シェフが、現地での経験と技術を身につけ、日本に帰ってきてくれたことに感謝する。
渋谷のはずれの、このこじんまりとしたレストランで南イタリアの食卓を再現してくれていることに、少なからず感動をおぼえたひと時だった。 |
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| (トラノイ店長 井澤
裕子) |
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